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病床でもおしゃれを


2007年 5月28日号 西日本新聞


病床でもおしゃれを

病床でもおしゃれを


抗がん治療などで脱毛に悩む患者に、医療用のかつら「メディフィット」を開発、六月一日から通信販売を始める。

大きさは三種類。伸縮し型取りは必要ない。受注後、即発送。手渡しまで一カ月はかかるオーダーメイドの弱点を補った。

「もう誰にも会いたくない」。少女のか細い声が受話器から漏れた。がん治療で脱毛した十四歳の中学生。

病床にあって、一日も早くかつらがほしいと電話してきた。

五年前、オーダーメイドのかつら販売を始めた。だが、型取りやサイズ調整に時間がかかった。

「早くできなくてごめんね」。悔しさが募った。

創業前、主な客層は中年男性と思った。だが、違った。脱毛に悩む女性患者からの電話やメールは月に九十件に上る。

大学を出て就職後、二十九歳でホームページ(Hp)制作で独立。だが、苦戦した。

悩んでいると、知人から「かつらは広告費がかかって一つ八十万もする」と聞き「注文をHPで取り広告費を省けば参入できる」と思った。

全国十五店の美容室と提携し販売網を作った。三十五歳のときだ。

だが、二年後、共同経営者で美容室経営の男性が他界。支えを失った。

事業を続けたのは、女性患者たちがいたからだ。

インターネットで工場五十社に当たり、今のインドネシア工場とで出合った。

試作に一年かかった。

メッシュに一本ずつ人毛を編みこみ、生え際は本物そっくり。

固定金具も着脱可能にし、エックス線検査でもかつらを取らずにすむよう工夫した。

髪形は九種類。色は三種類。「女性はおしゃれをしたいのよ」。患者の喜ぶ顔が目に浮かぶ。

価格は十四万八千円。

「医療用のかつらで患者さんの心を支えたい」と話す宮崎弥生さん



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